論文が掲載されました

長野市のピアノ教室、徳田貴子ピアノ教室です。

この度、拙稿「グラジナ・バツェヴィチのピアノ・ソナタ第1番と第2番の分析と比較ー社会主義リアリズムの統制下における抵抗的な作曲活動の一例」が「音楽表現学 Vol. 23」に査読論文として掲載されることになりました。大変身が引き締まる思いです。

本論文は、博論で研究したバツェヴィチのピアノ・ソナタについて、最新の研究や自身の演奏経験を踏まえ、日本語で新たに執筆したものです。

日本語で書かれたバツェヴィチ論文としては初めてのものになると思います。

ソ連が課した社会主義リアリズムという指針が、ポーランドにおいてどのように解釈され当時の作曲家に影響を及ぼしたのかを論じた上で、バツェヴィチが彼女自身の独自性を失わずに、どのように作曲していたのかを論じています。ピアノソナタ第1番に対する通説的な理解に疑問を投げかける内容となっております。

投稿に際し、エピソードをご提供くださったお孫さんの Joanna Sendłakさん、そして貴重なアドバイスをくださった 安藤厚 北海道大学名誉教授、高橋健一郎 大阪大学教授 に、心より感謝申し上げます。

また、札幌市民劇場として昨年行ったリサイタル、「グラジナ・バツェヴィチの系譜」での演奏実践を経て、論文を執筆することができました。

この論文を通じて、鉄のカーテンの影に隠れていたポーランドの作曲家バツェヴィチ、そして彼女の生み出した傑作を、多くの方に知っていただければ幸いです。

徳田貴子ピアノ教室【長野市のピアノ教室】

長野市でピアノ教室を開いているピアニスト、徳田貴子のウェブサイトです。 ピアノを通して心豊かな生活を送れるお手伝いができるよう、心を込めてレッスン致します。

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